新しいモバイル時代をつむぎ出す担い手たち。このコーナーではモバイル商品や技術の開発者たちに迫ります。
商品や技術の後ろには、その何百倍もの開発者たちの夢が託されている…。
夢こそがこれからのモバイルの世界を広げます。彼らの夢に迫ると、もっとモバイルの世界が深まります。


 

 

 

 


第三回 〜リブレット復活!ファン待望の新商品、デザイナーの熱き思い〜

 

      東芝デザインセンター 鈴木省吾

 

2001年5月18日…それは、約2年の歳月を経て復活したリブレットの新商品発売日。
この日を待っていた人もきっと多いことだろう。
そこで、今回は今が旬のリブレットデザイナーのデザインに対するこだわり、夢そしてリブレットに対する熱き思いを語ってもらった。


リブレット本体

リブレット透明筐体


モバイルパソコンに対するお客様の要望を忠実に反映させたリブレットL1

リブレットL1の商品開発にあたり“今のモバイルパソコンには何が必要なんだろう”という原点に立ち戻って、実際にモバイルを使っている方々に要望点や不満点を聞くことから始めたという。
「迷った時はユーザーに聞け」というまさにVOC(ボイス オブ カスタマー)の結果を反映させた商品なのである。
モバイルパソコンユーザーの声を拾った結果、“使いやすさ”“ロングバッテリー”“高コストパフォーマンス”の3点を新リブレットの共通キーワードとして、企画・デザイン・設計部門が渾然一体となった共同プロジェクトがスタートしたのだという。


モバイルの東芝らしい商品作りが基本

“他社に迎合しないコンセプトのあるモノ作り”を大テーマに掲げ、ノートパソコンの老舗としての東芝の信頼を前面に、自分達の得意の土俵で戦いたいという思いから生まれた基本コンセプト、「For Business」「Pure Business」これは、ごてごて飾るのではなくモバイルの基本をしっかり踏襲した商品コンセプトだ。
このコンセプトを忠実にそして徹底的に守ったこだわりの商品が、リブレットL1なのだ。
パソコンの商品開発の過程で必ず陥るのが、あれもこれも色々な機能を盛り込みたくなるという点。
これまではついつい多機能化の方向へ走ってしまっていたが、今回は常に基本コンセプトに立ち戻るということを徹底させたという。
他社に迎合しない、モバイルの基本性能へのこだわりを追求したリブレットL1は、常に東芝らしい商品作りを目指してきた鈴木にとって、ようやく夢が叶った商品であり、新しい東芝パソコンのイメージ作りへの第一歩なのだという。
これからもこの姿勢を変えることなく、デザインに携わっていく事が鈴木のこだわりである。


デザインキーワードはProfessional感

基本コンセプトを念頭におき、コンセプトに合ったデザインとは?を考えた結果、鈴木の頭に浮かんだのが「Professional感」Professional感のあるシンプル・スリムなデザイン開発を心がけたという。
そのためにも今回は特に設計部門とのコミュニケーションを密にとったという。
デザインと設計は密接な関係にあるからだ。外装も内装も内部部品の配置によってほぼ決まってしまうのだそうだ。
デザインイメージを設計者に理解してもらい、それに合わせた内部設計を心がけてもらったという。


一見シンプル、でも細部にこだわったデザイン


上部

正面サイド

PCシャッター部

外装は、性別・シーンを問わないユニセックスなデザイン、親しみやすさ・使いやすさを重視した曲線的なフォルムへのこだわり、そしてPCカードシャッターなどなど細部に渡ってシンプル・スリム&使いやすさにこだわり続けた鈴木の思い入れが伝わってくる。

内装は、“手の当たる部分”“目で見つめる部分”“指で操作する部分”をそれぞれ、使いやすさ・新しさを重視し最適な状態でデザインしたいという思いが強かったという。

手の当たる部分(パームレスト=キーボードの下部、指置きになる部分)は必要最低限の大きさを確保し、可能な限りの曲線造形でやさしい感触を持たせた。

そして、目で見つめる部分(画面)はキーボードと画面の高さの関連性を重視し、画面に集中できる構成・画面の大きさを確保した。

指で操作する部分(クリックボタン、キーボード、アキュポイント)はまず、クリックボタンはパソコンを開いたときに一番に目がいく部分だから、キャラクター性をもたせたかったのだという。もちろんキャラクター性のみならず、キーボードとの距離感など計算され尽くした使いやすさを追求したデザインとなっている。
次にキーボードは、アルファベットは若干太く大きく(フォント自体をユーロスタイルに変更)、カナ字は若干細く小さく(フォントは変更なし)することで、印字の部分のメリハリをつけさらに見やすくしたという。

リブポイントはあえて採用しなかったという。従来のリブレットとは使い方が異なるからだ。
従来のリブレットは文庫本のように両手で持って使うことを前提にしているからリブポイントが存在した。
でもL1は膝の上や机の上に置いて使うシーンを想定しているからだという。
シーンが異なれば、機能も異なるということから、アキュポイントの採用に踏み切ったのだそうだ。

「写真だけではわからない部分へのこだわりも強いので、ぜひぜひ触って使ってみて実感して欲しい。そうすればきっと良さ(使いやすさ)がわかってもらえると思う」と鈴木の自信が伺える。


ユーザーのニーズによって進化・変化し続けるリブレット

リブレットは「世界最小最軽量」のコンセプトとして誕生し、パソコンに「ミニノート」という新しいカテゴリを生んだ。
今回の新商品リブレットL1は、今までのリブレットとは異なるイメージをもたれた方も多いことだろう。
リブレット100からデザインを手がけてきた鈴木にとって、L1は他社の動向や流行に左右されずに、東芝ならではのスタンスを大事にした新生リブレットの一つの解なのだ。

「あくまでも一つの解であって唯一の解だとは思っていない。これからもユーザーの声を聞き、いろいろな視点でのモバイルを追求していくブランド“リブレット”でありたい」と熱い思いを語ってくれた。
次はどんな解をだしてくれるのだろう。とても楽しみだ。

 

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