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今回は、世界初の技術「低温ポリシリコン(p-si)TFTを使った大画面(10インチ以上)液晶」の技術者にスポットをあててみよう。
日本が誇る世界の技術・・・優れた技術を作り出している技術者達の夢・こだわり
そして苦労話を語ってもらった。
低温ポリシリコン(p-si)ってなんだ?
最近、携帯電話でも使われ始め耳にすることが増えてきた「低温ポリシリコン(p-si)」。そういえばリブレットL1のパンフレットにも「低温ポリシリコン(p-si)採用ワイドSXGA対応、クラス最大級10型TFT液晶」と説明されていたなぁ。
この「低温ポリシリコン(p-si)」ってなんだ??ってことで編集部はさっそく開発拠点の東芝深谷工場を訪ねた。
液晶ディスプレイは透明なガラス板の上に半導体(シリコン)膜をつけているのだそうだ。
この半導体(シリコン)はこれまで「アモルファスシリコン(a-si)」という非結晶体が使われていた。「アモルファスシリコン(a-si)」は技術的には比較的簡単にガラス板の上につけることが出来るという。
でも、結晶になっていないので構造がばらばら、だから電気抵抗が大きく電流が流れにくい、そして流れる速度も遅いという欠点があるのだそう。
そこで、注目されたのが「低温ポリシリコン(p-si)」。これは多結晶体で結晶が整然と並んでいるため、電気抵抗が小さく電流が流れやすくそして流れる速度も速い。
能力は「アモルファスシリコン(a-si)」の100倍という。
まさにモバイルならではの技術

接続点数の削減
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高輝度、高精細な画質
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「低温ポリシリコン(p-si)」は、光を遮るTFT(薄膜トランジスタ=高速で電流のON/OFFを切り換えることの出来るスイッチ)を1/2に小型化できるため、開口率(光を通す面積)が高くなるのだそうだ。そして、駆動用ICをガラス基板上に内蔵できるため、液晶パネルと外部回路との接続個所が少なくなり、部品点数を減少できるのだという。
これにより、明るく高精細で低消費電力、そして軽量・薄型の液晶が実現。まさにモバイルのための技術なのだ。
ちなみにこの技術を搭載している商品群は、ノートパソコン、PDA、ポータブルDVDプレーヤー、電子書籍、液晶プロジェクター、携帯電話とモバイルが目立つ。
と・・・難しい技術のお話はここまで。筆者の文章力が足りなくて「何がなんだかよく解らん」とお怒りのあなた、「もっと詳しくしりたーい」と好奇心の旺盛なあなたはこちら をご覧ください。
開発期間15年、世界初の技術「低温ポリシリコン(p-si)」を採用したTFT液晶の大画面(10インチ以上)化に成功
10数年の技術研究期間を経て、ようやく製品化の目処が立ったのが1995年、それから紆余曲折を繰り返し1997年に生産技術が確立。そして1998年10月に生産を開始したという。その間なんと15年。
私達が普段当たり前のように使っている今の高性能モバイルは、薄く、軽く、高精細にというユーザーの要望をかなえるために、日夜研究している技術者の血と汗と涙のたまものなのだ。
この技術、最も難しいのが10インチ以上の大画面化なのだそう。何がすごいってPDAクラスの大きさ(4〜5インチ)までは、他社も既に製品化しているが、10インチ以上の画面の製品化は東芝が世界初という点。
他社が追随しようとしているが、まだ製品化に成功したという話は聞こえてこないと言う。
さらに、東芝は15インチまでの大画面化の技術が確立しており、すぐにでも製品化は可能なのだそうだ。
低温ポリシリコン(p-si)生産ライン稼動前の一年間は連日連夜朝帰り

連日連夜の会議・議論の仲間達
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特に生産技術の確立した1997年は、連日連夜深夜からの会議・議論の連続でまさに地獄のような毎日だったと言う。
でも、長年この技術の開発に携わってきた仲間との一体感、そして「絶対世に出すぞ」「ユーザーのニーズに答えられる商品を作るんだ」という強い共通の思いがあったからこそ、そんなつらさもなんのそのと日夜頑張れたのだそうだ。
最も頭を痛めたのが、いかに歩留り(良品率)良く安定した商品が作れるかという点。
1996年から1997年は失敗と成功の繰り返しで、同じように作っているはずが出来たものは、明るさが足りなかったり、むらがあったりと同じじゃない。
どうしたら安定して作りつづけられるかという点に四苦八苦の期間だっだそうだ。そのストレスは相当のものだったはず。
そこで自分達よりも何歩も先を行っている半導体部門の協力が、成功への第一歩となったと言う。
そう、この技術開発の成功は、深谷工場の仲間だけでなく半導体部門の技術者の協力があったからこそなのだ。
もっともっと
低温ポリシリコン(p-si)は、まだまだ技術的に限界点には達しておらず、もっと高精細に、明るく、軽く、薄く、低消費電力に出来るという。
だからこれで満足しちゃいけない、まだまだ解決すべき課題はたくさんあると力強い口調で語っていた。技術者の辞書には「満足」という言葉はない。
この技術が進めば、将来は、全ての部品がガラス基板上に内蔵されるようになるそうだ。数ミリの液晶セルそのものがパソコンとなる日も近いかもしれない。
一生使えるもの、次々世代まで残せるものを作りたい
鈴木の理想は究極のディスプレイを作ること。
自分の孫の代まで今と変わらず使えるものを作ることなのだそうだ。
その候補として今、自発光型ディスプレイの開発に取り組んでいる。
この技術が成功したらまた次の究極のディスプレイ研究へとすすむのだろう。鈴木の挑戦はまだまだ続く。
10年後鈴木の答えは出ているのだろうか。そしてそれはどんな形をしているのだろうか。
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