熊本県教育委員会が進める「ICT を活用した未来の学校創造プロジェクト」では、
タブレットPCや電子黒板、デジタル教科書等の新しいツールを授業の中で積極的に活用し、
児童生徒の学力向上や教育活動の質向上を目指しています。
県内の実践校では、日常的にタブレットPC等を活用した授業が取り入れられており、
その教育効果を明らかにする実証研究も進められています。
今回は、それらの取り組みの中から、
熊本県内の2つの自治体における、タブレットPCを活用した具体的な事例を紹介します。
5年生算数の授業。タブレットPCに表示した線分図に書き込んだり図形を操作して、最小公倍数を見つける学習を行いました。
また、児童が自分で考えた内容をタブレットPCに表示してグループ内で発表したり、タブレットPCは表現のツールにもなりました。
タブレットPC上の線分図に書き込む
書き込んだ内容を見せながら説明する
6年生社会の授業。歴史について学んだことを記事にして、タブレットPCにキーボードを装着して新聞作りをしました。
グループでタブレットPCを持ち寄り、できあがった新聞記事を使い議論を深めました。
タブレットPCにキーボードを装着。新聞作成に取り組む。
タブレットPCを持ち寄って、グループで議論
1年生理科の授業。弦楽器や打楽器の音をタブレットPCで録音し、オシロスコープソフトで音の波形を視覚化する実験を行いました。
実験結果をグループで考察して、その結果をタブレットPCに専用デジタイザペンで書き込んだりして、音の特長を分析することが
できました。
ギターの音を録音して、音の波形を視覚化
グループで、いろいろな楽器の音の波形を比較分析
2年生数学の授業。タブレットPC上の四角形を操作して、面積を変えずに三角形に変形する授業を行いました。
タブレットPCで繰り返し操作することによって、試行錯誤しながらも課題を解決する時間を十分に確保できました。
また、タブレットPCの画面を電子黒板に転送して、学級全体での考察場面に活用しました。
画面を操作しながら試行錯誤する
面積を変えずに三角形に変形する
- ICT活用と実験観察や体験したことをうまく関連づけたり、さらに実感させたりするなど、児童生徒の思考を支援するために活用することが必要である。
- 板書やノートといった既存ツールとうまく組み合わせたり、電子黒板と連携させたりして、授業の目標を達成するのに最適なツール選択が必要である。
- タブレットPCを積極的に活用して、児童生徒のコミュニケーション力やプレゼンテーション力をしっかりと身につけさせることも重要である。
- ※実践画像で使用しているアプリケーションは、sky株式会社のSKYMENU Classと(独)科学技術振興機構「理科ねっとわーく」の「波形の観察(振駆太郎:し んくろう)シミュレーション」です。
- ※山田小学校の算数と社会の授業実践で使用しているアプリケーションは、スズキ教育ソフト株式会社のキューブきっず4です。
- ※高森東中学校の理科の授業実践で使用しているアプリケーションは、(独)科学技術振興機構「理科ねっとわーく」の「波形の観察(振駆太郎:しんくろう) シミュレーション」です。
- *1 無線LAN接続の場合は、ワイヤレスディスプレイアダプタが必要です。
- *2 専用のツールやアプリが必要です。
- *3 施設によっては撮影や録音ができない場合があります。施設の規則に従って行ってください。