- 東芝キヤリア株式会社
- 1999年、株式会社東芝の空調・設備事業部と米国キヤリア社の合弁会社として営業を開始。業務用エアコン、産業用熱源機、冷凍機器、換気システム、給湯器など、高品質の製品とサービスを提供するソリューション会社です。2008年には東芝キヤリア空調システムズ株式会社、東洋キヤリア工業株式会社と合併、2014年には親会社である株式会社東芝と米国ユナイテッドテクノロジーズ社(UTC)が「業務用空調事業における戦略的提携」に合意するなど、現在も進化を続けています。
お客様が迷うことなく目的の部署に到達でき、
待ち時間にも退屈しないエントランスホールを実現したい
エントランスホールのリニューアル時にデジタルサイネージを導入するに至った経緯について、東芝キヤリア社富士工場の設備投資および管理を担い、今回のリニューアルを実現させた総務部グループ長の椎名 貴史氏は以下のように説明します。
椎名氏「実はエントランスホールは20年以上リニューアルされておらず、受付が2階に配置されていました。社屋に用事があって初めて来社されたお客様の中には、敷地正門の守衛所で社屋の場所を聞きエントランスまではたどり着いたものの、『2階にお上がりください』という矢印看板を見つけられずに迷った方もいらっしゃったと聞いております。また、内線番号表も紙をとじたもので、検索性に問題がありました」
また、エントランスホールで待ち合わせや打ち合わせをする場合にも課題があったと、同総務部主務の石榑 厚紀氏は語ります。
石榑氏「ホールには背もたれのついた待合用のソファーが2つ設置されていましたが、設備が古く照明の数が少ないためにやや薄暗く、気軽に腰かけるという感じではありませんでした。またお待ちいただく間にご覧いただくよう、弊社の商品を紹介する布製のポスターがいくつか掲示されていましたが、新製品が出るたびに制作・交換することはコスト的にも難しく、結果的に情報発信としてはふさわしくない、古いものになっていました」
こうした中、受付や案内の視認性向上や最新の会社情報・商品情報の提供、ひいては会社全体のイメージアップの手段として、エントランスホール改装と同時にデジタルサイネージの採用が検討されました。 また、時期的にもリニューアルが急がれていたと椎名氏は言います。
椎名氏「弊社は2010年以降、中型・大型の空調機器を主力として事業を推進してきました。今後5年間で空調事業の売上を倍増するという目標のもと、特に人材育成に力を入れ、本年度(2015年)のGOOD FACTORY賞では私ども富士工場が「ものづくり人材育成貢献賞」を受賞しました。その流れのもと、今年度も採用枠の拡大が見込まれており、採用活動が解禁される8月1日までにリニューアルを完了する必要がありました」
限られた納期でデジタルサイネージの導入を実現、
遠隔地からも容易にコンテンツを更新可能
具体的にデジタルサイネージを選択する際に重視したのは「コンテンツの更新が容易なこと」でした。椎名氏は次のように話します。
椎名氏「他社に材料を提供して制作を依頼し、完成後にコンテンツを更新する形態では、どうしても時間がかかってしまいます。社内でその日のニュースをタイムリーに反映できるような、なるべく簡易なものを選択しました」
その結果、完全クラウド型のデジタルサイネージサービス dynaCloud D-Signageが採用されました。東芝ビジネス&ライフサービス株式会社に所属し、今回のリニューアルに関わったセンター長の岩本 益仁氏は、以下のように振り返ります。
岩本氏「導入時のコンテンツの一部は遠隔地にある弊社デザイン部門が制作しましたが、インターネット回線を利用して直接更新でき、大変便利でした」
また、導入前に実際にWebブラウザーを使用したデジタルサイネージサービス dynaCloud D-Signage制作機能でコンテンツを制作した同社ビジネスソリューション事業部営業主任の中條 裕美氏は、その使用感について次のように話します。
中條氏「最初に30分程度のデモンストレーションと機能説明を受け、実際に制作に入りました。制作中いくつか不明点はありましたが、電話で要点を聞いてすぐに解決し、内線番号表を完成させることができました」
ハードウェアはコストパフォーマンスの良い東芝製液晶テレビ・レグザシリーズと、テレビやディスプレイのHDMI端子に接続するだけでデジタルサイネージディスプレイとして使用できるサイネージスティックの組み合わせが選定されました。すべて東芝製品を採用した理由について、椎名氏にお聞きしました。
椎名氏「デジタルサイネージサービス dynaCloud D-Signageは、インターネット回線を通じて、遠隔操作でコンテンツの更新・運用が可能なシステムです。今回弊社が社内有線LANを経由するソリューションを選択したこともあり、使用機器には高いセキュリティ性の確保が求められました。東芝情報機器株式会社の担当者様とは、すでにPCなどの豊富な納入実績から、セキュリティーの面でも信頼関係が構築されており、スムーズに導入することができました」
リニューアル完了時には、内線電話番号を案内するウェルカムボード用に1組、エントランスホールで会社情報や製品情報を提供する情報提供用に1組が導入され、稼働しました。
内線番号を一覧表示して検索性を向上、
お客様の待ち時間に会社情報や商品情報をPR
では、デジタルサイネージの導入により、エントランスホールはどう変わったのでしょうか。石榑氏は運用開始時のことを次のように振り返ります。
石榑氏「導入当初はネットワークのセキュリティ設定などに手間どることもありましたが、東芝情報機器株式会社様等のサポートもあり、うまくクリアすることができました。現在は2台とも問題なく動作しています」
さらに使用するに従って、運用も効率化されていると石榑氏は言います。
石榑氏「当初は毎朝手動で電源を入れていましたが、現在はスケジュール機能を利用して自動で電源のオン・オフが行われるように設定しました。各種設定を工夫することで、今後さらに省力化・効率化できると考えています」
ウェルカムボードは正門から社屋に近づく際、自然に目に入る位置に設置しました。その効果について椎名氏はこう語ります。
椎名氏「エントランスを入ってすぐに目に入り、内線電話番号も一覧表示されているので、だいぶスマートに利用されているように感じます」
また、情報提供用ボードも会社の知名度アップに一役買っているようです。
椎名氏「ホール内の展示物と合わせ、弊社の社名を覚えていただくとともに、弊社の製品が新幹線の客車車両やスカイツリーの展望台にも使われていることを周知する効果は大きいと思います」
デジタルサイネージの性能を最大限に利用し、
さらにアメニティーの高いエントランスホールの実現を
今後のデジタルサイネージの活用方法について、石榑氏に伺いました。
石榑氏「今期は例年と比較しても多くの新製品の開発・販売が予定されています。新商品が出たタイミングに合わせて、タイムリーな情報更新を実践したいと思っています。コンテンツの制作はパワーポイントのような操作感で取り組みやすく、更新操作も容易なので、いろいろなコンテンツを作ってみたいと思っております」
さらに機器追加の予定についても石榑氏にお伺いしました。
石榑氏「エントランスホール中央部には、将来の拡張性を確保するためのハブと電源を敷設してあります。一例を挙げれば、ここに高さ1メートルほどの台座を設置して、インタラクティブに情報を引き出せるタブレット型端末を数台配置するなどの利用を想定しています。今後はこうした取り組みを通じて、さらにエントランスホールの情報発信力を高めていきたいと考えています」
最後に、今後の目標について椎名氏にお聞きしました。
椎名氏「現在はまだ導入初期で、デジタルサイネージを使い始めたばかりです。今後、デジタルサイネージを活用することで、さらにお客様をお迎えするにふさわしいエントランスになると期待しています」
-
- 来社されたお客様が受付を見つけられないことがあった
- 紙の内線番号案内では検索性が悪く使いにくかった
- ホールでの待ち時間が長く感じられた
-
- エントランスに入る前からウェルカムボードが目に入る
- デジタルサイネージで内線番号を一覧表示
- 最新情報を提供して体感時間を短縮
- デジタルサイネージサービス dynaCloud D-Signageを活用することで、さらにお客様をお迎えするにふさわしいエントランスになると期待しています。
この事例で導入した製品・サービス / デジタルサイネージサービス dynaCloud D-Signage
本格的な電子広告コンテンツの制作から配信までを、ブラウザー上の簡単な操作で運用できる、完全クラウド型のデジタルサイネージです。紙のポスターやPOPに比べ、広告効果が高く、手間・人件費も削減可能です。これまでの、デジタルサイネージの課題であった、「高価」「面倒」「不自由」さを解決し、大企業から街角の商店まで、だれもが思いついたその日から電子広告=デジタルサイネージを”自由”に利用できます。インターネット回線PC、タブレット等のブラウザがあれば運用できます。