これまで東芝が培ってきた高密度配線・実装技術を駆使して設計段階からシステム基板の多層配線化を推し進めた結果、必要な回路のほとんどを1枚の基板に収めることが可能に。このシンプルな構成により基板間の接合部分を大幅に減らせるため、ノートPCの製造現場では組み立て作業が飛躍的に効率化し、製造段階での品質向上にも一役買っています。これはシステム基板を自社開発する東芝ならではの特徴です。
ネジ穴から基板に伝わる振動なども不良発生の一因となるため、ネジ穴周辺の部品配置にも配慮しています。特に、基板のネジ穴に関しては、ゆがみや衝撃に対するストレスに考慮した解析を行い、基板や基板部品への悪影響を回避する設計となっています。
東芝では、可能な限りネジを使わずに、必要な強度を保てるネジ以外の固定方法を採用する一方で、より強度の必要な部分ではネジを増やすなど柔軟に発想。これによって使用するネジの量を削減し、リサイクルへの配慮も行っています。
また、ボディ内部の各種パーツを固定するネジは、粘着剤を塗布することによって、故障の原因となるネジの緩みが起きないようにしています。
東芝では、システム基板にメモリモジュールを装着する、システム基板を持ち上げるなど、作業手順の中で断線や接触不良の原因となりうる箇所をきめ細かく洗い出して、製造プロセスの改善を実施。それらを徹底させることにより、さらなる品質向上に努めています。
不慮の衝撃などによりHDDの磁気ディスクと磁気ヘッドが接触して起こるHDDクラッシュ。これを防止するために、3D加速度センサーでPCの不安定な動きをキャッチし、磁気ヘッドを退避させる機能を搭載しています。
※SSD搭載モデルには、東芝HDDプロテクションは搭載しておりません。
PCのボディへの衝撃が直接HDD/SSDに伝わらないように、衝撃吸収力の高い「プロテクトラバー」によるフローティング構造を採用しています。
ハードディスクカバーの内側をリブ構造にし、HDDへのダメージをやわらげています。
東芝では、ハードウェアとOSのマッチングをスムーズにするBIOSを自社開発し、PCのパフォーマンスをよりよく引き出すことを可能にしています。また、システム基板、ハードディスク、液晶パネル、各種ドライブなど、主要なコンポーネントを自社グループで開発してきた経験をもち、これらの技術ノウハウに基づき、いくつもの品質評価項目を設けています。それらを厳守することにより、お客さまに満足いただける製品の提供をめざしています。
開発、生産調達、品質の本部機能である青梅事業所や海外の製造拠点*1でも、品質の国際規格ISO9001、環境の国際規格ISO14001を取得。品質と環境の向上に向け、積極的に取り組んでいます。
*1:東芝システム欧州社(東芝レーゲンスブルク工場) 東芝コンピュータシステムズ上海社 東芝情報機器杭州社
荷重のかかるパームレスト部分には、ねじれに強いハニカムリブ構造、基板とキーボードの間にも、ひねりに強いハニカム構造を採用。また、筐体のベース部分とカバー部分の接合箇所では、マグネシウム合金の厚みを徐々に肉厚にして強度を高め、それ以外の部分は薄肉にして軽量化を図っています。
荷重のかかるパームレスト部分やHDDカバーの内側には、東芝独自の高品質ハニカムリブ構造を採用し、強度アップ*4を実現しました。例えばパームレストの端の部分を持ち上げた場合に生じる斜め方向の力(ねじれ)に対しても、強度を確保しています。
*4:ハニカムリブ構造を採用した場合と採用していない場合の比較。当社独自のテストによる。
マグネシウム合金製の液晶カバー部分には、先端部にワイヤレスアンテナが配置されているため、部分的にプラスチック素材が使われています。 R632/R732は、マグネシウム合金とプラスチックを真空圧着・一体成型することにより、従来のような継ぎ目をなくし、液晶カバーのねじれ強度を向上させています。
R742/R752は、パームレスト部や液晶カバー部に、プラスチックにガラス繊維をまぜた高剛性樹脂を使用。通常のプラスチックより薄くしても強度を保つことが可能となり、これにより薄型ボディを実現しています。
液晶パネルには衝撃吸収力の高いラバー素材を設置し、
ショックが直接伝わりにくいように工夫しています。
筐体のスリム化を図るにあたって、部品の配置や配線を見直すことで約30%もの部品点数を削減*。スリム化すると失われがちな筐体の強度は、従来とはグレードの異なる耐熱樹脂にすることでクリアしています。
*当社従来モデル「Satellite K32」との比較。
コネクタ部分の衝撃対策として筐体周囲のエッジ部分に段差をつけ、この出っ張った部分で落下時の衝撃を受け止め、コネクタ部分を保護しています。
筐体表面に施した「パターンシボ」という微細な凹凸加工は、PCを持ち歩く際の滑り止めとなり、表面積の増加による筐体強度のアップにもつながります。
例えば電源コネクタ部分を基板とは別の部品として組み込んだり、USBコネクタと基板のはんだ接合部分を最適化したり、さまざまな対策を講じています。
キーボード打鍵試験で厳しい社内基準をクリア。また、タイルキーボードは隙間が小さいためホコリが入りにくく、キートップがはずれにくいことも特徴です。
先端が人間の指に近い素材を用いてキーボードの打鍵耐久度を調べる試験です。
接触放電と気中放電の2種類の方法でPCの耐静電気性を検証しています。
コネクタ部分に対して「こじり(回転)」によるストレスを加え、基板とのはんだ接合部分の耐久性を調べる試験です。
電源ケーブルやPCカードなどのコネクタの抜き差しを連続的に行い、コネクタ部分や基板の耐久性を調べる試験です。
PCから漏れ出す電磁波が、他の機器に影響を与えない規格内であることを、社内の電波暗室を用いて検証しています。
パームレストを連続的に加圧し、内蔵デバイスへの影響を確認する試験です。
ディスプレイの開閉を連続的に実施し、ヒンジへの影響を確認する試験です。
さまざまな角度から製品を落下させて、各部位の耐久性を調べる試験です。
PC本体の一点に大きな圧力がかかった場合でも破損しないかを検証します。
XYZ軸の3方向にPCを揺さぶり、振動をリニアに変動させて影響を調べます。
PCを金属製またはゴム製の土台に落下させ、耐落下衝撃性を検証します。
試験ムービーは
「自社品質試験」を
ご覧ください。
東芝では従来の設計確認テストに加えて、
本来であれば長期にわたる経年変化を短時間で検証できる
高加速寿命試験「HALT」を実施しています。
HALTではランダムに発生する強力な振動や急激な温度変化などが同時に起こる過酷な環境をつくりだし、高レベルのストレスをかけることで、製品に内在する品質改善点を抽出することができます。この試験結果を解析し、ノートPCの設計・製造における品質改善活動で徹底的に活用しています。
東芝では、数多くの企業への導入実績をもつQUALMARK社の検査装置を採用。医療用、航空用、自動車用の電子機器など、非常に高い信頼性を追求する分野で実績のある検査装置を、ノートPC製品づくりにいち早く採用しています。
*2:R822、B372、B252を除く。
*3:R632、R732、R742、R752は高さ76cm、B652、B552、B452は高さ70cmでの落下テストを行っています。
※無破損、無故障を保証するものではありません。
※これらのテストは信頼性データの収集のためであり、製品の耐落下衝撃性能や耐浸水力、耐加圧性能をお約束するものではありません。また、これらに対する修理対応は、無料修理ではありません。落下、浸水後はかならず点検・修理(有料)にお出しください。
※浸水・排水処理後には、点検と修理(有料)が必要となります。