開発にあたって特に注力した点はどのようなことですか?
Bシリーズは、ビジネスPCのメインモデルなので、第一に品質を重視しました。
そして、今までのシリーズ以上に高い技術力が詰まった製品です。
お客様の生産性向上を考慮し、デスクトップに負けない高性能でありながら、社内で持ち歩けるほどの軽さと薄さで利便性を追求しました。
さらにこれまで以上に堅牢性や使い勝手にこだわり、新しいテクノロジーを取り入れつつ、高品質を追求しながらも、相反するコストとの両立を図りました。
基板の回路設計にあたっての苦労や工夫した部分はありますか?
まず、筐体のデザインに自由度をもたせるために、デザインをつけない部分のサイズはできるだけ小さくするという思想で設計を開始しました。
このことで、お客様が使いやすいように各種インターフェースを配置することができます。
しかし、ポートとチップの距離によって生じる波形の損失や高さの制限など、クリアしなければならない課題が多かったこと、さらに、いままでは別々だったCPUと表示機能が一緒になったことで、レイアウトには非常に苦労しました。
設計の関係上、この基板にはどうしても細くなってしまう箇所があります(写真ご参照)。
お客様がPCを持ち運びするときなど、基板にも負荷がかかることを想定して、細くなっている箇所のひずみが及ぶ範囲を解析やシミュレーションで割り出し、その部分には部品を配置しないという工夫をしました。
これは、故障の原因を減らして堅牢性をアップさせるということにもつながっています。筐体の外観には模様がついていますが、
これには何か意図があるのでしょうか?
この模様のようなものは、「パターンしぼ」という加工で、凹凸がついています。
お客様が社内でのPC持ち運ぶ際の滑り防止になりますし、表面積増加による筐体強度のアップにもつながるため、あえて凹凸を深くしました。
デザイン的にも凹凸の深さで陰影がついて少し高級感が出せたと思います。
ほかにも東芝ノートPCのポイントはありますか?
当社では、「ファクトリーブート」を実施しています。
これは、PCを箱から出して、お客様が実際に使用できる状態になるまでの時間を短縮するためのものです。
最初から起動設定するPCと比べ、1台あたり約30分程度の短縮が実現できます。企業などで多くの台数をまとめて導入される場合など、台数が多ければその分、管理者の方の負担軽減に貢献できると思います。
ファクトリーブートで、出荷前にアプリケーションやドライバーなどのインストールを済ませているので、箱から出したPCはユーザー設定をするだけで使用できる状態になります。