「まるで指に吸い付くような」こだわりのキーボード
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シンプルな質問をさせてください。
dynabookが持っている強みや魅力は、どんなところだと思いますか?
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ありきたりなことかもしれませんが、dynabookとしての売りはやはり軽さや持ち運びやすさです。
もう一つの長所は使いやすさで、特にキーボードにはこだわっています。本体の薄さと軽さを追求すると、キーボードが浅くなってしまうのですが、それでもキーのストロークだけは守れるように設計しています。
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- キーを叩いたときの音もすごく静かですね。あと、キーとキーの間がほどよく開いているのもいいです。
私は仕事で文字を打つことが多いので、キーボードの使い心地には特にこだわっています。ノートパソコンを買っても、キーボードの相性が悪いとわざわざ外付けのものを使ったり。長い文章を頭のなかで構成しながら打っていると、少しでもキーボードのストレスを減らしたくなります。自分の体の一部のようになってくれれば理想的です。
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- 意識しなくても使えることが大切ですよね。dynabookではキーの表面をほんの少し凹ませているのですが、そうすると指先がこの微妙なくぼみを感知して、自然と真ん中に指がいくんです。打っていると、まるで指に吸い付くような感触が得られるはずです。
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- すばらしいですね。
それから、キーボードって、ときどきひとつのキーだけが壊れたりしませんか? そうなると、本当に腹が立ちます(笑)。Mのキーだけがひっかかって、長押しをしないと入力ができなくなったり。
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- わかります(笑)。
そうならないように、キーボードもひらすら叩き続けて耐久性を確認しています。
それから、本体を薄くすると打鍵したときに本体がトランポリンのようにペコペコとへこんでしまって、打ちづらくなってしまいます。なるべくそうならないように、特定のキーを押したとき、そのまわりがどれだけへこむのかをレーザーで測定し、一定以上たわむことのないように調整しています。
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- いやあ、となりのキーがどれぐらいたわむのかなんて、考えたこともありませんでした。ただ無邪気に、時には怒ったり、編集者の顔を想像して怯えたりしながら(笑)、いいことも悪いことも全部叩きこんでいるキーボードに、そんな工夫がこめられていたとは……。
われわれにとっては日常的な動作でも、そのひとつひとつが快適になるように細やかな指標や数値が設定されている。モバイル性と使い心地の繊細なバランスを調整するために、今日見学したような試験を重ねるんですね。
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- おっしゃるとおりです。
もちろん、どれだけ薄く軽くして、さらに使い心地をよくしても、すぐに壊れてしまうようなものでは意味がありません。モバイル性、使い心地に加え、丈夫さもやはり譲れないポイントですね。