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環境調和型企業を目指す荏原製作所の情報システムの構築と運用管理を担当する同社では、 グループ内の数千台の端末管理を行っている。そこで管理職として活躍する戸田さんは、実はかつてミニコンメーカーとして著名だったデータ・ジェネラル社でノートPCの先駆と言えるラップトップコンピュータ Data General One の開発にも関係した経験がある超ベテランSEだ。RXを使用した感想を戸田さんに聞いてみた。
「30年にわたってコンピュータの進化を経験してきました。その経験のなかでもRXは圧倒的な存在感をもつPCです。 そのRXを手にした戸田さんの胸には、かつての記憶が蘇ってきた。 |
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「バッテリが重くないのがまず最初の驚きでした。バッテリが軽くて、十分な容量があり、しかも発熱が少ない。これは誇るべきところでしょう。さらに液晶画面部の薄さにも驚きました。これで大丈夫なのかと心配になり、思わず液晶部をつまんで持ち上げてしまいました」。もちろんRXに支障はなかった。液晶部の開閉のかなめとなるヒンジにも注目した。「小さくても、好きな角度を保って十分に支えられるこのヒンジはすごい」。これは東芝が苦心して開発、RXで初めて使われた小型で高品質な部品である。製造を知る技術者ならではの着目点だ。
また、キーボードに触れながら「以前のノートPCのキーボードはペラペラでしたね。それがだんだんクリック感のあるものに変わってきた」と言い、そこにも技術の進歩を感じているようだ。「小さな部品の品質が大事なんです。それをおろそかにすると、大きな問題が起きてしまう。生産技術を追求すればするほど製造側のリスクは高くなりますが、それを恐れず品質を追求していく東芝の考え方に共感します」。
戸田さんはさらに、「技術開発がここまでくると『あなたははこれで何をするのか』と、PCが私自身を含めユーザーみんなに問うている気がします」と言う。「軽くて小さいことはもちろんすばらしいが、それがビジネスの延長線上のツールであるのなら、私は要りません。PCは、その複合的な機能で私の生活の知性的な部分をサポートするツールであって欲しい。知性と思想と面白さを持ち合わせた、『知の番人』としてのPCの世界が到来することを願います」。
PCの役割は、すでに単なるビジネスツールであることを超えている。機能・性能や製造技術競争の時代は終わり、知的な人間生活をサポートする道具として、これからのPCの新しい時代が始まるというのが戸田さんの考えなのだろう。
ノートPCの歴史のすべてを見てきた技術者だからこその含蓄のあるお話だった。