スマートグラスの機能と活用事例
では、スマートグラスにはどのような機能があり、具体的にどのような活用ができるのでしょうか。例を3つご紹介いたします。
①. スマートグラスにはAR技術を使って、実際の光景に情報を重ね合わせることが出来るディスプレイがついています。この性質から、作業者の作業場所に、作業者が知りたい情報や必要な情報を補足的に表示することができます。
ユースケースとしては、物流の倉庫等における「ピッキング作業」などが挙げられます。ピッキング作業は、広大な倉庫の中から紙のマニュアルを頼りに作業を行うのは難しく、作業のミスなども発生してしまいます。また、マニュアル等をデジタル化したとしても、マニュアルを見るためにデバイスを片手に持ったまま作業を行うと、作業に支障が出てしまい、重いものを運ぶことも困難です。しかし、スマートグラスを活用することで、カメラで自動認識コードなどの情報を読み取り、品物の情報や数量など必要な情報をディスプレイに表示できます。広大な倉庫の中から目的の品物を迅速かつ正確に選びだすことを可能にします。さらに、ハンズフリーなので両手で重い荷物も運ぶことができます。
②. スマートグラスにはマイクやスピーカー、カメラなどを搭載しているものもあります。そういったものであれば、実際に現場で行われている作業等を録画することで、デジタルデータとして残し、それを別の作業者に閲覧してもらうことが出来ます。
ユースケースとして挙げられるのが、「熟練者の技能継承」です。少子高齢化に伴う生産人口の減少などによって生産現場の課題となっている熟練者から新人への技能継承。熟練者の作業手順をスマートグラスで撮影し、録画保存して動画マニュアル化したり、リアルタイムに中継したりすることで、技能継承をスムーズに行うことが可能です。
③. スマートグラスを装着した現場作業者と離れた場所にいる相手を通信や通話で繋ぐことも可能です。
ユースケースとしては、「遠隔支援」(遠方現場の作業支援)が挙げられます。作業員が装着したスマートグラスに適切な情報を投影しながら、遠隔地にいる管理者から指示やアドバイス、フォローを行うことができます。また、作業員はスマートグラスのディスプレイ上に表示される指示をハンズフリーで確認することができるため、紙の指示書等を読む場合と比較して、作業時間の短縮に繋がり、生産性の向上も見込めます。また、近年急速に普及している「Microsoft Teams」が利用できるソリューションなどもあり、カメラを搭載したスマートグラスと組み合わせることで、現場の音声や作業者の声だけでなく、作業者の眼下に広がる映像も合わせて現場の状況をリアルタイムに共有することで、遠隔地にいる管理者は現場の状況をより的確に掴むことが可能となり、その様子を確認しながら的確な判断が出来るようになり、ますます便利になっています。
上記のように、スマートグラスを活用することで現場の様々な課題を解決に導くことができます。