現場DXを推進すると、どのような効果が得られるのでしょうか。大きく分けて、「人材不足の解決」、「業務効率化」、「技術・知識の継承」、「業務プロセスの可視化」という4点が挙げられます。それぞれ解説していきます。
まず一つ目は「人材不足の解消」です。自動化できる業務はロボットを導入して自動で処理したり、5GやIoTなどを活用して遠隔操作したりと、ICTの力で人材不足を補うことができます。二つ目の「業務効率化」は、アナログ作業をデジタル化することで人的ミスの軽減や作業精度は向上させながら、労働時間の抑制が期待できます。デジタル化された働きやすい環境を提供することは、新しい人材を呼び込む材料にもなるでしょう。
三つ目の「技術・知識の継承」は、多くの現場で課題となっています。遠隔地にいる熟練技術者が映像を見ながら状況判断して適切な支援を行ったり、熟練技術者の作業手順を録画し、動画マニュアルとして活用するなど、技術や知識のスムーズな継承を実現します。四つ目の「業務プロセスの可視化」は、IoTなどを駆使することで、受注からアフターサービスに至るまでの全工程を見える化することができます。これにより、顧客とのやり取り以外に、設備の状態や生産プロセスに関するデータまでも一元管理することが可能となります。また、作業員のスキルにばらつきがあると製造ラインでの作業ミスや作業抜けが発生することもありますが、管理者はあらかじめPC上で作業工程ごとに作業内容を作成、各作業者へ作業内容のデータを配布し、現場では作業者がスマートグラス上で担当する作業内容を確認しながら順次作業することもできます。正確に効率よく作業を進めることができるうえに、実施作業の内容をデータ化し、分析することも可能になります。