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※本ページは、2017年1月26日に『ビジネス+IT』に掲載された記事広告を転載しています。
ハミガキ、ハブラシなどのオーラルケア商品、石けん、洗剤からヘアケア・スキンケア製品などを幅広く手がける総合日用品メーカーのライオン株式会社 様。創業120年超の老舗メーカーは、中長期経営計画の中の重点戦略の1つとして、働き方改革に取り組む。「社員一人ひとりが健康でいきいきと働いていること」が生産性向上につながるという同社のワーク・ライフ・バランスの取り組みや、柔軟な働き方を支えるモバイルPCの活用といったIT戦略について話を聞いた。
ライオン株式会社 様は、2012年から「Vision 2020」という基本戦略のもと「国内事業の質的成長」「海外事業の量的成長」「新しいビジネス価値の開発」「組織学習能力の向上」の4つの戦略を推進しており、2016年は、3年ごとの中期経営計画の第2期にあたる「V-2計画」の中間年だった。
この中で、企業体質の改善に取り組む、「組織学習能力の向上」のテーマの1つが、「組織活性化と人材育成」に基づく働き方改革だ。同社 人事部 副主任部員の坂詰 麻里子氏は、「社員が健康でいきいきと働いていることが重要」と語る。
「お客様の日々の暮らしに役立つ製品、サービスを提供するためには、社員自体が健康でなければなりません。以前であれば、長時間労働もいとわずという気風もありましたが、現在は従業員一人ひとりが健康で働くことを重要視し、生産性向上に取組んでいます」(坂詰氏)
2010年には、「多様な人材の活躍推進委員会」を設置、「働きがい相談センター」という相談窓口を社内に設置した。また、2005年に施行された「次世代育成支援対策推進法」(次世代法)をきっかけとした働き方の見直し、働きやすさの追求を行っている。
「2005年の法施行後から、2015年2月までの4期間全てにおいて次世代法の行動計画を策定・達成し、子育てサポート企業の認定を受けています」(坂詰氏)
ライオン株式会社 様の商品は、ヘルスケアからメディカル、キッチン、家庭用消費財まで多岐に渡り、「健康」「快適」「環境」をテーマに、消費者の毎日の暮らしをサポートしている
しかし、「次世代」「多様な人材」というと、ともすれば子育て支援や女性の活躍ばかりがクローズアップされがちなのも事実。この点、同社がユニークなのは、「多様な人材の活躍は女性だけに限らない」と考えているところだ。
「消費財メーカーで働く私たちこそいち早く、女性=子育てという固定観念から離れる必要があります。女性に限らず誰もが働きがい、働き方を追求し、強みや個性を活かして活躍する、そのために仕事の効率や生産性が上がる制度であれば取り入れていくことを重視しています」(坂詰氏)
例えば、長時間労働の削減のために、以前から「ノー残業デー」を実施する企業は多いが、ライオン株式会社 様では、週1回の「ノー残業デー」や月1回の「ノー残業週間」などの制度を設けるだけでなく、社内アナウンスで早く帰ることの意識づけをするなど、マネジメント層の理解を含めて制度が「絵に描いた餅」にならないよう運用面にも気を配っている。
こうしたワーク・ライフ・バランスの取り組みをもう少し詳しく見ていこう。1つ目は「育児休業制度」だ。育児・介護休業法では、育児休業の取得期間を「子が1歳に達するまでの間」と定めている。しかし、ライオン株式会社 様では「子が3歳に達するまでに、1年半の休業が取得できる」よう定めている。
また、法律では原則的に育児休業は有休扱いにならないが、ライオン株式会社 様では最初の2週間を有給休暇として取得できる。これは、男性の育児参画を考慮してのことだと坂詰氏は述べる。
「子育てには男性の理解が欠かせません。そこで、男性でも育児休業を取りやすい社内文化を醸成したいと考えました。また、実際に育児休業を取得した男性の声を積極的に社内に共有しています」(坂詰氏)
2つ目は、2016年から制度化された「ショートタイムフレックス制度」だ。これは、育児や介護などで事情がある従業員に柔軟な働き方を可能にするもので、短時間勤務とフレックスタイム勤務を融合した制度だ。
コアタイムである10時から15時をカバーしていればよく、始業時間と終業時間を30分単位で2時間まで短縮できる。特長は、繁忙期と閑散期のバランスを取って柔軟に働き方を調整できる点だ。
「例えば、月初の繁忙期には配偶者が子どもの面倒を見るので18時まで働く、月中の閑散期には早く帰るというように、月の中で労働時間を柔軟に調整することが可能です」(坂詰氏)
これまでの短時間勤務制度では定時より1時間早く16時15分に終業するときに、「急に子どもが熱を出した」と予定を早めて15時で帰ろうとすると、選択肢としては午後を半休にして有休を充てるしかなく、就業時間中の予定変更に対応できなかったが、ショートフレックスタイム制度では急な予定変更にも対応できるようになった。
こうした制度は、工場など導入が難しい部署があるものの、さらに導入部署を広げていく検証を行っているところだ。
3つ目は、生産性向上を目的に2015年2月から導入された「在宅勤務制度」である。働く場所を職場に限定しない柔軟な働き方として、週に1度、月に最大4日間、実家や自宅などオフィス以外で仕事ができる制度だ。
「今のところ部署を限定し、ある程度自律的に働けるマネジメント層に対象を絞っていますが、この制度は、特定の事情がある人を優遇する制度ではなく、仕事の効率や生産性向上のための制度です。ですから、休日に働いたり、通勤時間がない分深夜まで働いたりすることのないよう、制度の理解と浸透が必要だと考えています」(坂詰氏)
現在は、月に数名程度が制度を利用しているそうだが、説明会や個別の職場ヒアリングを繰り返し実施し、制度の効果確認を行いながら拡充を進めているという。
また、上述した育児休業制度がユニークなのは、「復職後の活躍」を前提としていることだ。そのためには「休みを気兼ねなく取得できることが大事」であり、復職したときに「一緒に働き続けられる環境を整備するのが会社の役目だ」と坂詰氏は語る。
「例えば、スムーズに復職できるように、復職の半年前ころには、先輩社員の経験談を聞きながら、育児と仕事の両立をイメージする機会を設け、そこには子どもを連れてきてもよいようにしています。復職直前には、会社からの期待を伝え、社員同士のワークショップを通じて自分にとっての仕事の意味を見つめなおす機会も設けています」(坂詰氏)
会社の近況や会社からの期待を伝える復職前セミナーなども行われている
また、復職前後には、直属の上司を交えて制度の概要を確認することや、復帰後の子育てに関する個別、具体的な状況を把握し、6カ月先までのプランを確認するための面談の機会を設けている。
制度の周知のためには、社内ホームページに加え、社内報「たてがみ」を活用した情報発信も行っているが、制度の「浸透期」においては、「特定の社員の優遇のためではない」という制度の目的を正しく理解し運用されるよう、対面して話す機会を設けることを特に重視しているという。
こうした取り組みは、制度が福利厚生として会社から一方的に与えられるものではなく、従業員の今後の活躍のために時間をかけて浸透、醸成される「組織文化」につながるとの考えからだ。
少しずつではあるが、着実に効果も感じつつある。例えば、男性の育児休業取得は、まだまだ上長の理解など「レールを敷く」ことが必要だが、実際に取得した男性からは「休業してみて、育児の大変さなど改めて実感できることもある」との声も寄せられており、男性の育児参画はごく当たり前なこと、と認識されつつある。
また、ショートタイムフレックス制度も、「1人目のときには制度がなかったが、2人目のときには制度があるので、活用しながら柔軟な働き方が可能になった」との喜びの声を把握しているという。
一方、在宅勤務制度は、まだまだ日常的に浸透しているとはいえない状況だ。この点については、社員にとって働き方の一つの選択肢として定着するよう、制度活用の事例を積み重ねていくことが大事だと坂詰氏は考えている。
こうした柔軟な働き方を実現するため、ライオン株式会社 様ではITを積極的に活用している。
同社 統合システム部 主任部員の岡村仁一 氏は、「柔軟に働いてもらうために、全社員で約6割。営業など外出の多い職種は9割以上がモバイルPCを活用している。」と語る。
ライオン株式会社 様では、もともと標準端末として、モバイルPCを推奨してきた。岡村氏によれば「デスクで固定的に使う人は、デスクトップPCやA4ノートPCを使うため、用途に応じて、デスクトップPC、A4ノートPC、モバイルPCの3種類を用意している」そうだ。
ライオン株式会社 様の柔軟な働き方を支える端末として、現在、dynabookが採用されている。
「毎年、複数のベンダーにお声がけして端末を選定していますが、dynabook導入前は色々なメーカーのモバイルPC端末を採用していました」(岡村氏)
dynabookの採用が始まったのは2010年頃。当時、モバイルPCは12.1型が主流だったところ、ちょうど13.3型の薄型のモバイルPCがリリースになり、提案をもらったのが経緯と岡村氏は述べる。
選定にあたり、複数ベンダーの提案からスペック、価格を総合的に検討する1次選考を行い、2次選考として、実機を使い業務アプリなどが問題なく動作するかなどの評価検証を行ったという。
「その上で、東芝(現:Dynabook株式会社)さんには、導入に際して膨大な台数にのぼる設定等のキッティング作業をあわせて任せられる環境がありました。」
こうした点が決め手となり、ライオン株式会社 様のモバイルPC標準端末として dynabookが選定されることとなった。
その後も薄型軽量のウルトラブックがリリースされ、現在に至るまで、dynabookの採用が続いている。岡村氏は「大きさと携行性、使いやすさなど、安定的に利用できる点」を評価している。
モバイルワークや在宅勤務では、事前に会社の許可を得て、会社のパソコンを外出先や自宅に持ち出して利用している。社内システムへのアクセスはVPNを利用して通信を暗号化し、ネットワークセキュリティに配慮している。
今後は、在宅勤務などワークスタイルがさらに多様化していったときに、例えばリモートでの会議や、Excel*、PowerPoint*などの資料共有など、システム面でのサポートが必要になってくる。
「Skype for Business などのコミュニケーションプラットフォームを使って、Web会議や資料の共有は可能になります。技術革新や機能追加のスピードが早いので、活用の部分で事例を増やし、使い方のノウハウを蓄積、共有していきたいです」(岡村氏)
坂詰氏は、制度や環境、ITをうまく連携させて、もっと柔軟な働き方が広がって行ってほしいと語る。
「在宅勤務は、通勤がない分、その時間をすべて勤務に充てたり、集中しすぎて夜遅くまで働いてしまうなど、自由な働き方がかえって長時間勤務につながる危険性もあります」(坂詰氏)
そこで、在宅勤務はみなし労働とはせず、自宅にいても会社との繋がりを持たせ、メールで始業・就業などの報告を入れる運用としている。ITテクノロジーが進化して、いつでもどこでも仕事ができるようになったからこそ、自律的な時間管理が求められてくるわけだ。
「効果を検証、確認しながら、在宅勤務の回数や対象者の縛りを緩和していく可能性はあります。在宅に限らず、既存のフレックスタイムが、特定の事情がなければ利用できない制度ということではなく、自律的で柔軟な働き方としてもっと活用して欲しいです」(坂詰氏)
また、岡村氏は、「ノートPCの機能は進化をしていますが、働き方改革を支援する端末として、携帯性や機能性とあわせ堅牢性やバッテリーの駆動時間など基本の部分こそ重要になってくる。近い将来、タブレットの業務活用も本格的に導入を考えるタイミングがくると思いますが、特にビジネスとして使うためのベーシックな機能の強化に力を入れてほしいですね」と期待する。(岡村氏)
「制度や環境、ITがうまく連携できれば、生産性向上につながる柔軟な働き方が広がっていくはずです」(坂詰氏)
今回の事例でご紹介したモデル dynabook R63
インテル第6世代プロセッサー搭載による高い生産性と約1.199kg*1の
軽量薄型、約18時間*1*2の長時間駆動を実現したモバイルPC