ノートパソコン必携化とポートフォリオの活用により、
学士課程教育の品質の向上をめざす
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- dynabook R73
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学校法人 鶴学園 広島工業大学 様
1961年に開学した広島工業短期大学(電子工学科)を源流とする。その後、1963年の広島工業大学工学部(電子工学科、電気工学科)開学、現在は工学部、情報学部、環境学部、生命学部の4学部・12学科に合計4500名以上の学生が在籍。
校祖・鶴 虎太郎の遺訓である建学の精神「教育は愛なり」、教育方針「常に神と共に歩み社会に奉仕する」を堅持し、創立から50年あまり、40,000名を越える卒業生を技術者として輩出するなど地元企業において中核となる技術者の育成を担う。
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現在、学士課程教育に対して質の保証や定量的な評価が求められています。広島工業大学 様ではそのソリューションとして、数年前から独自のポートフォリオシステム「HITPO」の開発に着手。2016年度の運用開始と同時に、ノートパソコンの必携化にも踏み切りました。
そして導入2年目となる本年度は、大学推奨ノートパソコンとしてコンパクトなオールインワン・モバイルdynabook R73を選定。HITPOとdynabook R73の連携によってもたらされる教育効果とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
課題と背景
情報システムメディアセンター長
教授・博士(工学)大谷 幸三氏
4年間にわたり安心して使い続けられ、
学生活動に集中できるノートパソコンが欲しい
技術や専門知識の修得にとどまらず、堅実な学力と豊かな人間性に満ちた「学士力」を有する技術者を養成するための教育改革「HIT教育2016」を掲げる広島工業大学 様。(HITは広島工業大学 様の英語名 "Hiroshima Institute of Technology" の頭文字。)
まずはHIT教育2016とノートパソコン必携化の関わりについて、情報学部情報学科の教員でもあり、学内の情報インフラやサーバの管理を担う情報システムメディアセンターのセンター長、大谷 幸三氏に伺いました。
大谷氏「昨今、学士課程教育における質の保証が課題となっています。そのひとつの取り組みとして、本学では独自のポートフォリオシステム『HITPO』の開発を進めました。授業や課題、課外活動など大学でのすべての学びの計画と実績を管理し、学生自身でPDCAサイクルを回しながら学習を進めるスタイルを作りあげることが目的です。いつでもポートフォリオに各種情報を登録できる環境を整え、HIT教育2016をさらに前進させるため、2016年4月のHITPOの運用開始に合わせてノートパソコンの必携化を決めました」
情報化推進室 室長
小川 博道氏
では、必携化2年目となる本年においてパソコン必携化についてどのような課題があったのか、ICTサービスの展開を通じて学生の教育・支援に取り組んでいる情報化推進室の室長、小川 博道氏に聞きました。
小川氏「本学には工学部、情報学部、環境学部、生命学部の4学部、計12学科がありますが、全学部で同一モデルのノートパソコンを導入するのは初の試みでしたので、昨年の大学推奨ノートパソコンの選定には苦労しました。とにかく学生が4年間使う物ですので、あまり修理などに時間を取られず安心して使え、学生としての活動に集中できるような、しっかりしたものを提供したいと考えました」
そして1年目の実績を受け、大きく仕様を変更した点は画面サイズだといいます。
大谷氏「昨年は特に教員側から『教える際には画面が大きい方がいい』という要望があったのですが、実際に導入してみるともう少し小さくても支障がないということが分かりました。本学には情報学部の学生を中心に学生や先生方のパソコン利用を補助する『サポートセンター』という組織があります。そこからの意見を吸い上げた結果ですが、今の学生たちはスマートフォンでExcelを使うことも苦にはならないようですし、我々とは少し感覚が違うようです」
なぜdynabook?
性能と価格のバランスの良さと、過去の導入実績による信頼
では、実際にどのようなメンバーにより、どのような選考過程を経てdynabook R73が選定されたのでしょうか。
小川氏「各学科から1名ずつ選出された12名に、私たち2名を加えた計14名で、昨年8月から条件検討を開始しました。その後、10月に各社に提案募集をかけ、12月末までに選定を終えました。仕様書策定にあたっては、あまり細かい条件を規定せず、提案やプレゼンを通じてより良いものを選ぶと言う姿勢で臨みました」
では、実際に選定の決め手となったポイントは何だったのでしょうか。
大谷氏「一番はバランスの良さです。『学内の無線LANを通じて仮想環境下でCADを操作する』といった使い方に十分に耐えうる性能の高さと価格とのバランスが抜群で、今回はあまり迷いませんでした」
また、先行してノートパソコンが必携化された情報学部での実績も大きかったと、実際に同学部で教鞭をとる大谷氏はいいます。
大谷氏「情報学部には情報工学科と知的情報システム学科の2学科がありますが、そこでは既に10年以上前から入学と同時にノートパソコンを購入することになっています。その際も同様に提案募集をかけましたが、結果として一貫してdynabookが採用されています。その長いお付き合いの中で培った信頼も大きかったと思います」
導入の成果
即日利用開始が可能なスムーズな導入を実現、故障率も低減してHITPOの活用を後押し
結果として、4月1日の入学式までに約1,030台のdynabook R73が納入されました。初年度と比べ、まず導入時に成果が確認できたと言います。
大谷氏「すぐに授業で活用できるように、ノートパソコンの引渡しと同時にガイダンスを行いますが、12学科すべてで実施するということで、あまり長い時間を取ることはできません。そこで、無線LANやオンデマンドプリンタの初期設定など、即日必要となる事項をあらかじめ切り分けておき、90分間に収めることとしました。Dynabook株式会社さんには最初の30分間でパソコンの取り扱い方などでご協力いただきましたが、おかげさまで1日で1,000人分以上の初期設定を無事終えることができました。このあたりには、長年にわたり大規模な展開をされているDynabook株式会社さんのノウハウが活きているのではないでしょうか。ガイダンスに4時間ほどかかった昨年に比べると、作業工程や人員を4割ほどに抑えられたと感じています」
小川氏「例年、4月から6月の3か月間にサポートセンターに持ち込まれる台数の2.5倍から3倍が1年を通じた故障件数となりますが、本年度は6月末までで5%程度と、非常に低い数字に収まっています」
特に故障全体の40%を占める液晶関連、同じく10%を占める外部筐体の破損の減少が目立つそう。それに対し、
大谷氏「4年間継続して使用するということで、初年度は堅牢性を重視して機種を選定しましたが、現在までのところ、サポートセンターへの持ち込み数は昨年度と同程度に収まっており安心しています」
と大谷氏。これらの数値は従来モデルと比較しても低減したと言える数値だそうで、統計としてはまだ不十分としながらも、サポートセンターでは「今年度モデルのマグネシウム製の筐体、カバーなどの強度が影響しているのではないか」と推測されていました。
こうしたスムーズな導入、低い故障率を受け、必携化の本来の目的であったポートフォリオシステム「HITPO」の活用においても、スライド等の教材配布、課題提出などが活発に行われています。
今後の展望
学内システムへの活用と、HITPOの充実により、HIT2016教育の定着を目指す
今後のdynabook R73の活用方法についてもお聞きしました。
小川氏「まずは申請業務への活用を考えています。施設の貸し出しや奨学金の申込等といった手続きは、現在は書類に記入してもらい職員が入力する形で行っていますが、業務の効率化のためにノートパソコンから一括して処理できるシステムを構築したいと思っています」
HITPOの今後についてもお伺いしました。
大谷氏「HITPOの開発はまだ続いています。現在はシラバスと連携し、学生が身に付けた『力』を、レーダーチャートのようなグラフで可視化する機能の実装を目指しています。実現すれば、学生に対して『ここの部分が欠けているから、来年はこの分野の科目をしっかり取ろう』などの指導ができます。また、ポートフォリオは就職まで続きますから、学生が自分の実績からアピールポイントを見つけて履歴書を作成するといった活用もできるでしょう」
また、蓄積したデータを基に、教員側へフィードバックすることも検討しているといいます。
大谷氏「学生がどのような実績を持ち、どのような企業を選び、マッチングがうまくいって就職したか、というような追跡ができるようになると良いですね。また、学生の実績から逆算することでカリキュラムの正当性を確認したり、偏りを修正するなど、客観的な評価から教育の効果を実感したいとも考えています」
学長を中心として、教員・職員が一丸となり教職共同で「HIT教育2016」の実現に尽力する広島工業大学 様。数年後、dynabook R73とともに4年間学んだ学生たちが果たしてどのような将来を掴み取るのか、今からとても楽しみです。
BEFORE
提供したい
確保したい
AFTER
性能と価格のバランスの良いマシンを提供
問題なく対応
この事例で導入した製品・サービス / dynabook R73
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※この記事は2017年7月に取材した内容を基に構成しています。記事内における数値データ、組織名、役職などは取材時のものです。
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今後もdynabook R73とともに「HIT教育2016」の実現に向けて尽力していきます。