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生成AI導入におけるセキュリティリスクとその対策ポイント

社内情報の入力による情報漏洩リスク

生成AIは質問や指示(これを「プロンプト」と呼びます)に応じて文章や画像などを生成するツールです。より的確な出力を得るために詳細なプロンプトを入力したくなりますが、その中に社外秘のデータや個人情報が含まれてしまうと、重大な情報漏洩につながる恐れがあります。
とくに外部クラウドサービスを利用している場合、入力した情報がサーバーに保存されるリスクがある点には注意が必要です。


  • 対策のポイント:
  • ・入力してはいけない情報をあらかじめ明文化し、社内に共有する
  • ・ツール選定時に「プロンプトが学習や保存に使われない設計」であるかを確認する
  • ・自社専用環境やオンプレミス(自社内サーバー)での運用を検討する

生成されるコンテンツの信頼性と著作権の問題

生成AIはあくまで過去の学習データをもとに出力を行っており、常に正確な情報を提供できるわけではありません。また、出力されたコンテンツが他者の著作物に類似している場合、知らないうちに著作権を侵害してしまうリスクもあります。
企業活動で利用する場合には、信頼性の確認と法的リスクのチェックが欠かせません。


  • 対策のポイント:
  • ・出力されたコンテンツは、必ず人間によるチェックを行う
  • ・商用利用時は著作権上の問題がないかを確認するフローを設ける
  • ・外部公開前には内容の正確性を第三者的な視点でも確認する

利用状況を把握するためのログ管理とガバナンス強化

生成AIの利用が広がるほど、「誰が」「どのような目的で」「何を入力・出力したか」を記録しておく必要性が高まります。これらの記録は「ログ」と呼ばれ、万が一の事故やトラブルの原因究明に不可欠です。
加えて、適切なルールや責任体制を整備すること(ガバナンス)も、安全な運用には欠かせません。


  • 対策のポイント:
  • ・利用履歴(ログ)を自動で記録できるツールを選定する
  • ・利用ポリシーや責任者を明確にし、全社的な運用ルールを策定する
  • ・情報システム部門だけでなく、業務部門とも連携して管理体制を整える

外部サービス依存による運用リスクの見極め

多くの生成AIサービスはクラウド型(SaaS)で提供されており、外部ベンダーに依存する構造になっています。サービスが終了した場合や、仕様変更が行われた場合に業務が一時停止するリスクがあるため、慎重な選定が求められます。


  • 対策のポイント:
  • ・サービス提供元のセキュリティポリシーやサポート体制、サービスが終了した場合の入力データ・成果物の取り扱いについて事前に確認する
  • ・単一のツールに依存せず、用途に応じて複数のサービスを使い分ける
  • ・オープンソースや社内構築型の生成AIの検討も視野に入れる

利用者の理解と責任ある活用がセキュリティの鍵

どれだけ堅牢なシステムを導入しても、最終的なセキュリティを左右するのは「人」のリテラシーです。
生成AIは便利なツールですが、使い方を誤れば大きなトラブルの原因になります。全社員が基本的なルールとリスクを理解している状態を目指すことが重要です。


  • 対策のポイント:
  • ・利用者向けのマニュアルや研修を実施し、継続的な教育を行う
  • ・問題が発生した際にすぐに相談できる窓口を設ける
  • ・利用状況を定期的に振り返り、ルールの見直しを図る

まとめ:安心して活用するために、初期段階からの備えを

生成AIの導入は、業務改革を進めるうえで非常に有効な手段です。しかし、十分なセキュリティ対策なしに導入してしまうと、情報漏洩やコンプライアンス違反といった深刻なリスクを招くおそれがあります。
導入前から運用・管理までを見通した体制づくりを行うことが、安心・安全な生成AI活用の第一歩です。経営層も現場も一体となって、長期的な視点での取り組みが求められます。

生成AI導入支援サービス

Dynabookの「生成AI導入支援サービス」は、導入環境の構築から自社データを使う業務アプリを作成し、
実際の業務へ活用、定着化させるまでを一気通貫でサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。

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